よく「カラダが痛いのは歪んでいるから」とか 「カラダの歪みはスタイルに影響する」なんてことを耳にします。 でもそれって具体的にどういうことでしょうか? 歪むとなんでカラダが痛くなるの? どうしてスタイルが崩れるの?
例えば代表的なカラダの歪みに猫背が挙げられます。 猫背とは、その名の通り、背筋が猫の背中のように丸まってしまうもの。 ある調べでは、日本人の9割が猫背の傾向にあるとも言われています。
猫背の問題を説明する前に、本来の背骨の形を知っておきましょう。
本来、背骨には生理的湾曲というものが備わっています。 いわゆるS字カーブです。 首の部分、頸椎ではわずかに前方に湾曲し、 胸や背中の部分、胸椎では大きく後方に、 そして腰の部分、腰椎で再び前方に湾曲し、 プリッとしたお尻をつくっています。
重要なのは、 このS字カーブのおかげで私たちヒトが二足歩行をできているということ。 犬や猫、そのほかたくさんの4足歩行の動物たちにはこのS字カーブはありません。
実はこのS字カーブがスタイルをよく見せるためには重要なのです。
例えばウエストのくびれライン。 お尻からキュッと腰の部分が反ることによって、上体が立ち上がり、胸や肩がしっかりと開きます。 肩が開くと、背中側にある肩甲骨が中に寄ります。 すると背骨の胸の部分“胸椎”を囲んでいる肋骨は、開いた肩からきれいなくびれのラインを描きます。 背骨が正しくS字カーブしていると、しっかり女性らしいくびれ体系になるんです。(男性は逆三角形に) ちなみに、バストアップやデコルテラインの美しさもS字カーブのおかげです。
しかも背骨がきれいなS字カーブを描いている状態は、安定性と可動性が抜群です! 安定していて、かつ自由に動けること。 この2つは健康なカラダの重要な要素です。
猫背とはつまり、背骨のS字カーブの崩れのこと。 S字を描いていたはずのカーブが、背中は丸まり、肋骨が外に開き、肩や頭が前方に垂れさがる。 細長く立ち上がったカラダをギュッと潰した体型。 これだとスタイルがとても悪く見えます。 なおかつ、カラダの可動域を制限して動きづらい&筋肉や関節にかかる負担が増加。 内臓や神経の流れも乱します。 しかも、猫背の体勢って、深呼吸をしたときの息を吐ききったときの形。 この姿勢だと大きく息を吸うのが大変なので、呼吸も浅くなりやすい。
猫背姿勢は見た目にも健康にも害のある姿勢でした。
現代社会はとても便利。 ご先祖様が必死に獲物を追いかけていた頃では考えられないような快適な生活を私たちは送っています。 でもカラダは運動不足で筋力低下。 そしてスマホやPCの欠かせない生活。 日に日に疲れは溜まっていく。 それと同じようにカラダの歪みや姿勢の崩れも溜まっていきます。
気を付けていないとあっという間。 座り方や立ち方、ふとした日常の習慣であなたも猫背になっているかもしれません。 そしてその姿勢の崩れこそが、痛みやスタイル悪化の原因につながっているのです。